微小水滴形成時の相対湿度
一方、その球の表面積はである。そして、この球の半径が微小量増加した場合の表面積の増加量と体積の増加量との比は以下のようになる。
上の式は、表面積の増加量と体積の増加量の比は、水滴の半径に逆比例することを示しており、球の半径が小さくなると、表面積の増加割合が極めて大きくなり、表面張力の働きによって、表面積の増加を阻止しようとする力が強くなる。したがって、半径の小さい水滴は形成されにくい。
この式中、は絶対温度、は水滴の半径である。定数はである。0 ℃におけるこの式を、エクセルで計算した結果と、その結果を片対数グラフを用いて以下に示す。
横軸を対数目盛とした片対数グラフとすると、グラフの形は反比例を示す双曲線状となる。ここで示された縦軸の値を100倍したものは相対湿度を与える。水滴の半径が0.01 μm のときは、相対湿度が113 %の過飽和状態とならないと、水蒸気圧は平衡に達しないこと、すなわちこの半径の水滴とならないことが示されている。一方、水滴の半径が2 μm以上では、水滴の曲率を考慮しなくてもほとんど問題なく、過飽和状態にならなくても水滴が形成されることが示されている。
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