20130222Fuji1

エクセルのグラフで学ぶ気象学0038


湿潤断熱線図を描く (4)

 前回は、1000 hPaで気温20 ℃の湿潤断熱線をエクセルで描いた。この20 ℃は、湿球温位と呼ばれるものに相当する。ところで、エマグラムなどの断熱図では、1本だけでなく、複数の湿潤断熱線が描かれている。ここで計算したような、複数列を使わないと結果が求められないような場合には、複数の計算結果を一度に求めて、それをグラフにすることは難しい。ただ、前回の罫線結果をエクセルの複数のシートにコピーして、計算結果をまとめることで、容易に複数の湿球温位に対する計算結果を得ることができる。

SaturationAdiabatic22.jpg"

 最初に新たなシートを多数作り、シート名に湿球温位の値を当てた。湿球温位が20 ℃のシートに、前回作成したデーターがある。そのデーターをシートごと、それぞれの湿球温位のシートにそのままコピーする。そして、それぞれのシートのB5セルに、シート名に対応する湿球温位の値を記入する。それだけで、その湿球温位に対応した湿潤断熱線の計算結果が列Bに書き込まれる。

SaturationAdiabatic23.jpg"

 続いて、各シートの列Bのデータを集計(Assmble)シートに数値コピーする。このようにして出来上がった集計シートを上に示した。

 残念ながら現在のエクセルでは、このようなデーターを一括選択して思い通りのグラフを描くことはできないようである。思い通りのグラフとするには、データーの選択と編集を繰り返す必要がある。

SaturationAdiabatic24.jpg"

 そのような手続きを経て完成したグラフを上に示す。通常の湿潤断熱線図の気圧軸は対数目盛となっているが、このグラフの縦軸となっている気圧軸は、線形目盛りとなっている。

 縦軸を対数目盛表示に変更すると、現在のエクセルでは補助目盛が表示されなくなってしまう。そこで、手作業で補助目盛を書き加えたグラフを以下に示す。

SaturationAdiabatic25.jpg"

 実用的な図とするためには、補助目盛の間隔をもっと細かくしたいのが、現在のエクセルではそれは難しいようである。

(2011.4.7)


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