6~9月の富士山頂の日平均気圧と東京の日平均気温の推移


6~9月の富士山頂の日平均気圧と東京の日平均気温の推移

 6~9月の富士山頂の日平均気圧と東京の日平均気温の推移をグラフにし、毎年の傾向を読み取ろう。富士山頂の日平均気圧は青の折れ線で示し、左側の軸でその値を読み取る。東京の日平均気温は赤の折れ線で示し、右側の軸でその値を読み取る。

 2011年のグラフを下に示す。
 
2011Fuji-Tokyo.jpg

 2011年の東京の日平均気温は、6月23日に初めて28 ℃を上回り、その後平均気温は一旦22 ℃台まで低下し、再び上昇するが、それを追って富士山頂の日平均気圧が6月28日に650 hPaを超え、その後7月4日には640 hPa近くまで低下している。しかし、東京の気温はそれほど低下しなかった。

 この年は、7月20日に富士山頂の気圧が638 hPa近くまで低下し、それに合わせて東京の平均気温も21 ℃台まで低下している。これは台風第6号(T1106)の影響である。9月6日にも富士山頂の気圧の同様の低下があるが、これは台風13号(T1113)の影響である。

 2011年の東京の夏の気温は、7月18日に平均気温が30.1 ℃を記録した後、8月9日に平均気温が30.2 ℃となるまで、極端に暑い日はなく経過した。そして8月9日から8月18日までの連続10日間、平均気温が30 ℃を超える暑い日が続いた。

 8月20日前後には、東京の気温も富士山の気圧も低下しているが、この間、日本列島南岸に停滞前線が長い間居座っていた。その後は、東京の平均気温は、上がったとしても28 ℃程度で、比較的穏やかな暑さであった。9月10日には、富士山頂の日平均気圧が656 hPaを超えるまで上昇したが、東京の気温がそれに連れて上昇することはなかった。

 2011年のきわめて暑い日は、8月9日から18日までの10日間で、富士山の気圧が高かったのは、それを挟んで20日ほど前と後であった。一方、それなりに暑い日は、6月23日から9月18日までのほぼ3か月間にわたっていた。


 2010年のグラフを下に示す。

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 2010年は記録的な猛暑の年であった。8月16、17日の2日間、東京の日平均気温が32 ℃を超えた。ただ、それ以上に驚くことは、富士山頂の日平均気圧が656 hPaを超えた日があることで、グラフが枠外に飛び出している。東京の平均気温は高いが、7月29、30日と8月9日には26 ℃台にまで下がっている。この間、東京では11.0 mm と24.5 mmの降水を記録している。その後、9月8日に102 mmの降水を記録するまでの間、少雨の日が続いた。この年の猛暑は、この8月10日から9月7日の間の少雨と暑さが重なったものだ。

   7月4日には、富士山頂の日平均気圧が640 hPaを切るまで低下しているが、この前後に前線を伴った南岸低気圧が通過している。この前後、東京でhあ連日降水があったが、気温はそれほど低くなかった。を下回り、上回り、その後平均気温は一旦22 ℃台まで低下し、再び上昇するが、それを追って富士山頂の日平均気圧が6月28日に650 hPaを超え、その後7月4日には640 hPa近くまで低下している。しかし、東京の気温はそれほど低下しなかった。

 日平均気温が30 ℃を超えた2012年のきわめて暑い日は、7月20日から24日までの5日間、8月15日から18日までの4日間、8月23日、8月25日、8月27日から9月5日の10日間、9月7日である。8月後半の暑さが特に体に堪えるものであった。ただ、この年も、暑さ寒さは彼岸までの言い習わしの通り、秋の彼岸過ぎには気温は低下した。一方、富士山頂の日平均気圧は、10月中旬過ぎまで648 hPaまで上昇することがあった。

 


 2009年のグラフを下に示す。

2009Fuji-Tokyo.jpg

 2009年は、富士山頂の日平均気圧が650 hPaを2度目に超えた7月14日に梅雨明けが発表された。この年は7月6日に富士山頂の日平均気圧が650 hPaを超えたが、その後7月10日には641 hPaまで下がってしまう。これは、988 hPaまで発達しながら日本海を通過した低気圧の影響である。

 その後7月22日には、富士山頂の日平均気圧はまた640.5 hPaまで下がってしまう。これも、994 hPaまで発達して日本海を通過した低気圧の影響である。8月24日前後に富士山頂の気圧の低下がみられるが、これも日本海を通過した低気圧の影響で、この夏はたびたび日本海を低気圧が通過した。

 8月31日には、富士山頂の気圧の低下がみられるが、それ以上に東京の平均気温の低下が著しく、19.1 ℃を記録している。これは、台風第11号(T0911)が関東南岸を通過したことによる、北東からの風の流れ込みの影響と考えられる。

 このように、2009年の夏は、たびたび日本海を通過した低気圧と8月下旬の台風の影響を受け、不順な夏であり、東京の平均気温は8月29日に28 ℃を上回っているが、実質的に暑かったのは7月10日から8月22日までで、その間、7月21日から24日、7月31日から8月4日は夏としては気温が低かった。

 9月の下旬には富士山頂の気圧が上昇しているが、もはや東京の気温を上昇させる力はなかった。


 2008年のグラフを下に示す。

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 上のグラフを見ると、この年、東京の平均気温が高かったのは、7月12日ころから8月16日ころまでである。この期間、東京の気温の上昇を追いかけるように富士山の気圧が上昇し、その後富士山の気圧の変動を追いかけるように東京の気温が上下しているように見える期間がある。

 8月16日の気温の低下は、台風第11号(TS0811)が八丈島の南側を通過した影響で、台風通過後の17日には、北東からの冷たい海風が入り、東京の気温は低下した。この前の12日から14日にかけても熱帯低気圧が日本海を通過している。

 この後、日本列島を次々と低気圧が通過し、各地に激しい雨をもたらし、8月後半は不順な天候となった。


 2007年のグラフを下に示す。

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 2007年の梅雨明けは8月1日ごろと遅かった。7月の富士山頂の気圧も低めに推移し、8月1日の日平均気圧は649.6 hPaで、翌日に651.2 hPaとなるが、8月3日、4日は再び646 hPa台に下がる。ただ、東京の気温は、この気圧の低下には反応しなかった。8月18日に富士山の気圧が648 hPa台に下がったときは、東京の平均気温も25.5 ℃まで下がる。

 8月26日以降、富士山の気圧がさがるのにつれて、東京の気温も下がりだし、この年の夏の暑さはこのあたりで終了してしまう。9月6日、7日の富士山の急激な気圧の低下は、台風第9号(T0709)の影響である。台風通過後、東京の気温は下がり、その後の富士山の気圧の上昇に合わせて東京の気温も上昇するが、富士山の気圧が655.7 hPaまで上昇したのに合わせるほどは、東京の気温は上昇しなかった。

 7月15日に富士山頂の日平均気圧が634.9 hPaまで下降しているが、これは台風第4号(T0704)の影響である。この台風通過後も、東日本上空に寒気が入ったことから不安定な天気が続いた。7月30日には東日本で大雨が降り、気温も低かった。

 このように盛夏の期間が短めの2007年であったが、東京の8月16日の最高気温は37.0 ℃まで上昇している。


 2006年のグラフを下に示す。

2006Fuji-Tokyo.jpg

 2006年の6月下旬から7月上旬にかけて富士山頂の気圧は低いが、この時、日本海側を低気圧が通過していた。その低気圧が過ぎると、台風台3号が九州の西を通過し、日本海で温帯低気圧となって北上する。この台風の影響があった間、富士山の気圧は上昇し、7月9日には平均気圧が650.9 hPaとなり、650 hPaの大台を超えた。それを追って東京の気温も上昇したのだが、その後、富士山頂の気圧は急降下し、それにしたがって東京の気温も低下している。この時、梅雨前線が日本列島の上に横たわり、各地に大雨をもたらしていた。

 7月30日に関東の梅雨明けの発表があったが、その直後から東京の気温は低下し、8月1日の東京の平均気温は22.9 ℃まで下がってしまった。夏らしくなったのは8月3日からであった。北東からの冷たい気流が入ったことによる気温の低下であった。

 8月9日には台風第7号が伊豆諸島を通過。18日には台風第10号が宮崎市付近に上陸。9月1日は南岸低気圧の通過、9月13日は秋雨前線の影響で気圧の低下や気温の低下がある。


 2005年のグラフを下に示す。

2005Fuji-Tokyo.jpg

(2012.9.13)

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