オーム社の気象予報士試験 標準テキスト 学科編 補説03


大気中の水分の表し方

   P.34の中央から下は4-1.3.5「大気中の水分の表し方」となっている。気象学で重要な、水蒸気圧、比湿、混合比、相対湿度、露点温度、湿数の定義が示される。

 比湿qは、水蒸気の質量と湿潤空気の質量の比と定義される。本書とでは、同じ体積の質量の比を考えているので、その値は密度の比で置き換えられる。そして、その値は式(3・13)で与えられている。

q.jpg.jpg"

 この式の展開のうち、分子である水蒸気密度が0.622eとなることは分かりやすいが、分母の式は直観的でない。順に考える必要がある。

 ここで、湿潤空気の密度を、混合比と乾燥空気の密度を用いて表現することを考える。混合比は、

MixingRatio.jpg.jpg"

であり、乾燥空気の密度は、

DryDensity2.jpg.jpg"

である。湿潤空気の密度は、混合比の定義から次の式であらわされる。

WetDensity2.jpg"

 以上準備した式を組み合わせると、湿潤空気の密度は、ε=0.622を代入すると、以下のようになる。

WetDensity5.jpg"

 かなり回り道をしているようだが、このように展開すると理解できる。

(2010/11/2)  



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