これは、アメリカ合衆国インディアナポリス州マリオン郡警察の法科学研究所のパッチである。顕微鏡を中央に配し、フラスコと試験管がその左右にある。

　訳者が駆け出し時代から大変お世話になった方が、この研究所の所長を数年勤めていた。規模の小さな研究所であったが、大きな体でこのパッチを渡してくれたことを覚えている。

　これはアメリカ合衆国ジョージア州の州警察のパッチだ。パッチ全体がジョージア州の形をしている。中央にはジョージア州のシールがデザインされている。アメリカの独立の年の１７７６があり、ジョージア州がアメリカ建国時の１３州に含まれていることを誇りにしている図柄と思われる。

　赤い紐のように見えるのは旗で、本来のシールでは左の旗に英知（Wisdom)、中央に渡した旗に正義(Justice)、右の旗には節度(Moderation)と記されているが、このパッチではそれらは省略されている。

　これは、アメリカ合衆国ミシシッピ州のハイウェイ・パトロールのパッチだ。中央にあるのはミシシッピ州のシールで、オリーブと矢を握ったアメリカンイーグルが描かれ、その胸にはアメリカ独立時の旗を示す１３本の赤と白のストライプが入っている。文字の「VIRTUTE ET ARMIS」は、ミシシッピ州の標語がラテン語で書かれているが「勇気と武器によって(By Valor and Arms)を意味する。

　これは、米国軍病理学研究所のパッチだ。OAFMEはOffice of the Armed Forces Medical Examiner(国軍監察医務局）を表し、AFIPはArmed Forces Institute of Pathology（国軍病理学研究所）を意味する。

　５枚のトランプは、デッドマンズハンド（死者の手）といわれるもの。アメリカの西部開拓時代のガンマンであったワイルド・ビル・ヒコックが酒場でポーカーをしていて射殺された際に、ヒコックが手にしていたポーカーの手といわれる。その後、黒札のエースと８がそれぞれ２枚のツーペアがデッドマンズハンドといわれるようになった。AFIPのパッチでは、もう１枚のカードはダイヤのジャックになっている。

　このポーカーの手を研究所のシンボルマークにした経緯を説明したペーパーももらったのだが、今は見当たらない。

　これは、アメリカ合衆国ロードアイランド州犯罪科学研究所のパッチである。ロードアイランド州はアメリカで、もっとも小さな州であるが、1776年の独立時から13番目の州として加わっている。

　このパッチの中央の図柄は、ロードアイランド州の州旗とシールを取り混ぜたようなデザインとなっている。州旗は、このパッチの図柄のように、錨の下に「HOPE（希望）」と書かれている。州旗は、それらを円形に並んだ13個の星が囲んでいる。一方、シールでは、錨の周りに勾玉（まがたま）のような飾りがあり、錨の上に「HOPE」の文字がある。

　シールでState of Rhode Island and Providence Plantationsという州の正式名称が書かれている部分に、このパッチではロードアイランド州犯罪科学研究所と書かれ、シールでは1693（年）と書かれている部分に1958（年）設立と書かれている。一方、このパッチで州名が書かれている部分には、シールでは「HOPE」と書かれている。

　このように小さな州では、AFTEの会員もおらず、セミナーにゲスト参加する鑑定者と交換したシールと記憶している。