ウインチェスターの最強マグナム装弾
訳者は1989年の秋に、アメリカ合衆国イリノイ州のイースト・アルトンにあるウインチェスターを訪問する機会を得た。この特大散弾実包のダミーは、その際に、社内の土産物店で購入したものである。口径は12番で、全長は17 cm以上ある。
インチスケールを当ててみると、全長が約7インチあり、質量は約128 gである。散弾銃の実包(装弾)の寸法や質量は、拳銃やライフル銃用の実包と比較して、その範囲がきわめて広い。カートリッジ・オブ・ザ・ワールドの12番を見ても、実包長は1.25インチ(クリンプした状態)から5.00インチ(クリンプを解いた状態)の広範囲に及び、弾量は7/8オンス(24.8 g)から2.5オンス(70.1 g)まで及んでいる。
黄銅メッキされたスチールヘッドには、「WINCHESTER 12GA」のヘッドスタンプがある。きょう体底部と雷管表面には、平行状の発射痕様の痕跡が見られる。雷管の中央には撃針痕様の凹みもある。そのため、ケースヘッドは、打ち殻薬莢のものを利用した可能性が考えられる。雷管のみ発火させたものを新品のケースヘッドに取り付けるよりも、打ち殻薬莢のケースヘッドをプラスチック製のきょう体から分離した方が手間がかからないかもしれない。手間がかからないかもしれない。
火薬類は含まず、先端は紙製の口蓋をロールクリンプしている。立てて置くと安定が悪いし、寝かせておくと転がるので、ペーパーウエイトには不向きだ。それでも当時、お土産品としては一番人気だと聞いた。
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