訳者の私的画像集24


イリノイ州警察ジッポー・ルール

 警察に限らず海外の公的機関は、来訪者などにしゃれた記念品を用意しているのが普通である。それらの記念品は、ほとんどの場合で税金を使ってプレゼントされるわけで、貰った方も、公的なものを頂いたということで感謝の念を強くするものである。

 送る相手に応じて、どのような記念品を贈るかの格付けがなされており、自分の待遇がどの程度であるのかが、もらった記念品で分かろうというものである。

 翻って日本では、このような記念品を税金で作るとするならば、まさに仕分け対象となるであろう。科警研でも、皆で金を出し合って記念品を製作して、それを配るというようなことが行われていた。ただ、相手に、「これは、公的なものではありません。」と説明してしまうと、有難味が薄くなる。

 数がまとまれば安くなるが、少量では金額が張る。一方、金額を度外視するのなら全く個人的に作ることもできる。わが国では、国外に対して公的なお土産はないのかもしれない。国会議員が官房機密費を使って手土産を持って行くという話を聞いた。お土産品も、海外の多くの国と同様、表向きの予算に入っていいはずである。外交にお土産はつきものなのだから。

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 これは、イリノイ州警察犯罪捜査研究所の銃器鑑識課から記念品として頂いた、ジッポーライター型の巻尺である。

 ペンシルベニア州ブラッドフォードにあるジッポー社に依頼して、特注された記念品である。上の写真は、そのプラスチックケースで、ジッポー社のマークと、ジッポー社がそのライターに付けていると同様の永年保証の表示がある。

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 ケースの中には、巻尺本体と、永年保証書が入れられていた。

 愛煙家ではなく嫌煙家の訳者は、ジッポーライターの知識は乏しく、ライターでは有難味が薄い。喫煙が当たり前だった時代には、きっとライターそのものが記念品だったのだろう。アメリカでも1980年代前半までは喫煙は当たり前で、ライターは喜ばれる贈り物だったであろう。今では、航空機にライターを持ち込むことも難しくなっているので、ライターはお土産品には不適切になった。

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 巻尺の表には、イリノイ州警察のシールが印刷されている。中央の円の内側には、橙色のイリノイ州の地図が描かれ、その地図の上に、同じ色で右向きの白頭鷲が描かれている。同じ色で地図と鷲とが重なっているので、ちょっと分かり難いかもしれない。鷲の右足の爪には、オリーブの枝が左足の爪には矢が握られている。矢は、13本と数えられなくもない。

 その外周にはイリノイ州警察の文字(ILLINOIS STATE POLICE)と、そのモットーである高潔・奉仕・誇り(INTEGRITY・SERVICE・PRIDE)と書かれている。

 最も外側には、円形に法科学司令部・銃器鑑識課(FORENSIC SCIENCE COMMAND ・ FIREARMS IDENTIFICATION SECTION)と書かれている。

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 スチール製の巻尺には、メートルとインチの両方が目盛られており、全長2mである。16THSの文字が見えるが 、これは1インチを16等分した目盛が目盛ってあることを示している。

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 巻尺の下部にジッポー社の会社名と所在地(ブラッドフォード、ペンシルベニア)がある。

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 このように、飾っておくこともできる。

 イリノイ州はシカゴがある州として有名である。シカゴ市警察は米国の中でも大きな警察で、規模の大きな銃器鑑識部門もある。しかし、シカゴ市はイリノイ州の州都ではない。イリノイ州の州都はスプリングフィールドという小さな町で、このイリノイ州警察犯罪捜査研究所もこの町にある。

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 これは、訳者が1989年にスプリングフィールドを訪れた際に手に入れた町のパンフレットである。リンカーン大統領の家があることで有名だが、このことは訪れるまで知らなかった。州の議事堂の前にリンカーン像がある。

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 これが修復・復元されたリンカーン大統領の家で、リンカーン大統領夫婦は、この家に大統領になるまでの17年間住んでいたという。スプリングフィールドを訪れたものの、これらの場所は訪れておらず、いずれもパンフレットの写真である。

 
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