訳者の私的画像集21


法執行機関関係のパッチ 4

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 これは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス郡のシェリフのパッチである。2種類の大きさのパッチを交換した。

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 シェリフとは郡警察のことだが、ロサンゼルス郡のシェリフは世界最大規模のシェリフといわれる。ロサンゼルス市警察の略称LAPDは有名だが、ロサンゼルス郡警察はLASDという。

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 これは、カナダのモントリオールに本社を構える、フォレンシク・テクノロジー社のパッチである。フォレンシク・テクノロジー社は民間企業であり、法執行機関ではないが、アメリカのNIBIN(National Integrated Ballistic Information Nework=全米発射痕総合情報ネットワーク)のシステムを提供する会社として、法執行に重要な役割を果たしている。

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 これは、アメリカ合衆国バージニア州警察の法科学研究所のパッチである。米国の州はStateというが、ケンタッキー州、マサチューセッツ州、ペンシルベニア州とバージニア州の4州は、StateではなくCommonwealthを使う。バージニア州はCommonwealth of Virginiaである。

 バージニア州のシールは表と裏があって、このパッチの中央に描かれているのは、正式なシールとされる表側である。中央に、戦いに勝利した平和の女神が、倒した専制君主を左足で踏みつけて立っている。女神の右手には、地面に刃先を突き刺した槍が握られ、左腕には、権威の象徴としての武器パラゾニウム(刃の断面が3角形の剣)が、刃先を天に向けて抱えられている。

 この絵柄は、バージニア州が英国を打倒したことを象徴的に描いているとされる。このパッチでは分かりにくいが、倒された専制君主の左手には切断された鎖が、右手には鞭が握られている。英国からの圧政から解き放たれ、奴隷的使役が終わりを告げたことが示されている。専制君主の王冠は、頭から外れて地面に転がっている。

 倒された専制君主の下に書かれている文字はラテン語の、"SIC SEMPER TYRANIS"で、専制者は常にかくのごとし "thus always to tyrants."で、バージニア州のモットーとなっている。この言葉は、ブルータスがシーザーを倒した時の言葉と伝えられている。

 バージニア州の法科学研究所(DIVISION OF FORENSIC SCIENCE)は、バージニア州の州都リッチモンドにある。訳者は、1999年7月に、新築オープンしたばかりの研究所を訪問する機会を得た。FBIの研究所に比べると規模はずっと小さいが、各研究室が合理的に配置され、鑑定物件の受け入れから、その返送までの物件の管理の保証(Chain of Custody)体勢が整っていることに感心した。たとえば、鑑定物件の受け入れは、1階の受付で、警察官が24時間体勢で行っている。銃器鑑定部門では、その鑑定物件をセキュリティーの完備した保管倉庫にしまわれるが、バーコードによる管理を行っていた。鑑定物件の拳銃を試射する際に、その保管場所、試射場、発射痕の鑑定場所などは、セキュリティレベルの異なる別の場所になっているにもかかわらず、動線が短く、外部と干渉することなく移動できた。重要なのは広さだけではないことを痛感した次第である。

 
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