訳者の私的画像集33


野球帽コレクション4   ATFの野球帽

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 これは、ATFの野球帽である。帽子の正面の部分に、ATFの捜査官が付けるバッジをデザインした帽章が縫い付けられている。

 アメリカ合衆国のATFは、かっては財務省に属し、アルコール・タバコ・銃器局(The Bureau of Alcohol, Tabaco and Firearms)といい、その頭文字からATFと呼ばれていた。税の徴収の観点から、不正を取り締まる機関であったが、2001年の9・11テロ後、犯罪捜査の色彩の強いその活動は、司法省の傘下に統合された。そのため、かっては財務省と司法省という異なる省の許で競ってきたATFとFBIが、同じ司法省に属することとなった。アルコールやたばこの税の徴収に関する業務は、切り離されて財務省に残された。

 ATFが司法省に属するようになったとき、テロ対策が重要な業務の一つとなり、爆発物を主要な業務として扱うことを明確化し、その名称もBureau of Alcohol, Tabaco, Firearms and Explosivesと変更となった。ただ、略称はATFのままであった。新しい名称の頭文字をそのまま続けてATFEとすると、AFTE(銃器工具痕鑑定者学会)と混同しやすい名称となる。

 

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 発射痕鑑定の分野では、ATFが財務省のシースファイヤ計画の下で推進したIBISの普及と、FBIが司法省の予算で普及を図ったドラッグファイヤーが対立した。一時は、データーの相互乗り入れも検討されたが、最終的には司法省のNIBINNational Integrated Ballistic Information Network)の下にIBISに統一された。

 ATFFBIの対立がきわめて先鋭に現れた出来事であったが、システムを使う立場にとっては、早く解決してという意見も強く、一方で、それまでFBIが推進したドラッグファイヤーの下で収集したデーターは結局使えず、無駄骨を折らされたものからの不満の声は大きかった。

 

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 帽子のクラウンの2/3の部分はメッシュになっている。帽子のサイズは、アメリカンホックで7段階に調節できる。左側に並んだダボに右側の穴を被せるようになっており、FBIの野球帽とは逆向きとなっている。コルトとS&Wのように、ATFとFBIは意図してアメリカンホックの左右を変えているのだろうか?庇の幅は約19 cmで、庇の丸みは少ない。

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 青一色の帽子で、庇とクラウンが接する部分には、青い紐が渡されている。

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   帽章は、ATFのエージェントバッジと同じようなデザインとなっている。金色と青の配色もバッジと同じだ。ただ、バッジにある細かい文字は省略されている。

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 正面の、額に当たる部分の内側には、ウレタンの内張りがされている。

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 天玉を止める金具の表面には、王冠のような模様がプレスされていた。

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 品質表示ラベルにバイ・ジョージ(by George)とある。

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 その裏側を見ると、スリランカ製と表示されていた。

 


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