ニュージーランド警察のメモ帳
現役の時代は、目先の仕事の処理に追われ、いろいろ不義理が多くなってしまった。せっかくいただいた記念品も、どなたからもらったのもか、どのような時にいただいたものかをすっかり忘れてしまったものも多い。このニュージーランド警察のメモ帳も、心当たりはあるのだが、頂いた方を今ではしっかり記憶していない。申し訳ないことだ。
黒の合成皮革のカバーの付いたメモ帳で、閉じた時の大きさは、横11cm、縦16cmで、A6版を少し大きくしたサイズだ。表のカバーの中央より少し上に、ニュージーランド警察の記章が銀色でプリントしてある。このニュージーランド警察の記章は、先に紹介したマレーシア警察の記章とデザインに類似点がある。
下のリボン状の旗にNEW ZEALAND POLICEと書かれている。中央には、その頭文字であるNZPが互いに組み合わさった形でデザインされて描かれている。この文字を月桂樹の葉が囲み、上には王冠を戴いている。
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50枚100ページのメモ帳が中にあり、1ページに19行書き込める。メモ用紙は白色で、左側qから2cmのところに赤の罫線が引かれている。この左側には日付や時刻を記入するのに使用できるだろう。
表紙は黄色で、表紙と裏表紙の裏側には執務上の注意事項が記されている。表紙の裏側には警察官の銃器使用に関する注意事項、裏表紙の裏側には、容疑者を車両で追跡する際の注意事項が記載されている。
銃器使用に関する注意事項は、以下のとおりである。
警察官の緊急時の銃器の使用について
すべての職員は、警察の銃器使用についての規定を熟知していなければならない。それは、GI F61と1961年刑法の39条、40条、41条48条及び62条である。
犯罪者へ発砲するには
発砲より暴力性の低い代替手段がない場合で、かつ以下の条件が必要である。
(a)自己あるいは他者の生命の危険あるいは重大な受傷の危険性がある場合、あるいは
(b)他者の生命を危うくする可能性のあるものを逮捕し、あるいは合法的に逮捕した後の逃亡を防止するため、また、逮捕が遅れると他者の生命に与える危険性が増大する者を逮捕する場合で、かつ
(c)投降を呼びかけ拒否され、周囲の状況から銃器を使用しないで逮捕することが非現実的な場合
周囲の状況から考えて必要と考えられる限度を超えた武力を行使した者はすべて刑事責任を追及される。
生命に危険を与える可能性がすでになくなった者に対する発砲は、その者がそれまでに行った行為のいかんにかかわらず正当化されない。
威嚇射撃
威嚇射撃は、一般的に認められない。まれな場合として、発砲してくる犯罪者に対しては威嚇射撃が許可されるが、威嚇射撃であることが分かるような射撃、たとえば垂直上方への射撃に限定される。
走行車両に対する射撃
走行車両に対する射撃は、発砲してくる犯罪者が無関係な第3者の生命を危険に陥れる可能性があるというまれな場合にのみ許可される。経験上、走行車両に対する発砲は効果がないことから、走行車両には発砲しない方がよい。
逃走車両追跡のガイドライン
すべての職員はGIのV1からV14を熟知していなければならない。
意思決定
必須条件 |
選択条件 |
犯罪者を止めないと、生命に重大な危機に陥る者がいると信じる妥当性がある
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停止させることに合法性がある
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私は、市民の安全が危機に瀕していると信じる。
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私には、運転者を停止させる合法的理由がある。
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追跡によって、危険性が増大しないと信じる妥当性がある
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追跡によって、市民に重大な危険を与えることがないと信じる妥当性がある
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私には、危険性を増大しないように追跡する自信がある。
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私には、市民に重大な危険を与えることなく追跡できる自信がある。
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しかし、次の場合には追跡をあきらめなければならない
追跡を継続している間に、他者に重大な危険を与える可能性が追跡開始当時よりも高まった時点で追跡は中止する。
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しかし、次の場合には追跡をあきらめなければならない
追跡を継続している間に、他者に重大な危険を与える可能性が追跡開始当時よりも高まり、その危険性が犯人を捕まえる必要性を上回った場合に追跡を放棄する。
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私は、危険性が追跡開始当時より増大したので追跡を放棄する。
私は、危険性が追跡開始当時より増大したとは思わないので、追跡を継続する。
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私は、犯人を捕まえるメリットより市民を傷つける危険性が高まったと思われるので追跡を放棄する。 私は、犯人を捕まえるメリットより市民を傷つける危険性が高まったとは思われないので、追跡を継続する。
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