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AFTE2011 バインダー

 アメリカでは、法科学鑑定の証拠能力を認める基準として、フライの基準を採用している州とドーバートの基準を採用している州とがある。これらの基準を簡単に区別すると、フライの基準は鑑定手法そのものが、その分野の専門家によって認められている手法であるか否かを重視する基準で、ドーバートの基準は、その鑑定を行った鑑定人の能力も勘案する基準であるといえる。

 鑑定人の鑑定能力を評価する客観的な材料としては、その鑑定人の教育訓練歴、学位、鑑定従事年数、鑑定件数、裁判への出廷回数などがあるだろう。その中でも、適切な教育と訓練を受けていることは大切であり、特に鑑定事項に関連した教育と訓練は、鑑定人の鑑定能力を評価する上で重要である。

 近年アメリカの大学では法科学関係講座が増加しており、工具痕関連の講座も出現しているが、銃器鑑定の専門教育の大半が職場で行われている現状に大きな変化はない。そのため、この分野の専門家集団であるAFTEは、鑑定人の教育訓練が組織としての重要な責務であることを認識している。AFTEの年会に出席することは、銃器工具痕鑑定の最新技術を学んだり、基本技術の確認を行う上で絶好の機会を提供している。

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 AFTEは、会員の活動状況の客観データー化や法廷で証言する際の便宜を考慮して、年会への出席、年会でのワークショップの聴講、年会での講演の実施、年会でのワークショップの実施などに対し、その証明書を発行している。そして、その証明書の保管用のバインダーも配布される。

 ここに示すのは、2011年のシカゴ大会で配布された、証明書を保存するためのバインダーである。黒い牛革性のバインダーで、縦32.5 cm、横24.0 cm、厚さ1.1 cm、質量508.5 gである。

 バインダーの縦の長さをほぼ3等分して、上から1/3のところを中心にして、AFTEのシールが金色でプリントされている。下から1/3のところには、アクセントの横棒が引かれている。

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 バインダーを開くと、証明書を挿入するポケットと、会議中に交換した名刺などを入れておくのに便利なポケットがあり、ペンホルダーも一つ付いている。

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 訳者がAFTE2011シカゴ大会で獲得した証明書は3枚である。上の段が講演証明書で、シカゴ大会の大会長とAFTEの会長が署名している。左下はワークショップ参加証明書で、シカゴ大会の大会長と、ワークショップの講師2名が署名している。右下は大会参加証明書で、シカゴ大会の大会長とAFTEの会長が署名している。

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 これも中国製で、仕上げの良いしっかりとしたもので、もらってうれしいバインダーであった。

(2011.6.24) 

 
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