マグカップ・コレクション15 AFTE2011シカゴ大会記念マグカップ
第42回目となるAFTEの2011年の大会は、AFTEの第1回大会が開催されたシカゴ市で、それも第1回大会が開催された時と同じドレーク・ホテル(The Drake)で開催された。AFTE2011シカゴ大会の記念マグカップには、それを意味するメッセージが添えられている。
真っ白なマグカップは、右手で持っても左手で持っても同じ図柄が見える。黒いシルエットのトンプソンサブマシンガンを中心に、その真上には開催地を示す「CHICAGO」の文字が直線状に書かれ、それを上から円形で囲む「AFTE 2011」の文字が描かれている。トンプソンサブマシンガンの下から円形で囲む「WHERE IT ALL BEGAN」の文字があり、その前には3発の弾痕が加えられている。まさに、このシカゴ大会を象徴するデザインとなっているのだ。
これらの弾丸の鑑定を行ったのがカルビン・ゴダード(Calvin H. Goddard)であった。その経緯は、(カルヴィン・H・ゴダードが語る発射痕鑑定の歴史)でゴダード自らが紹介している。現場に残された弾丸には、右回転4条の腔旋痕が付けられており、発射銃種がトンプソン・サブマシンがであることが推定された。現場薬きょうの撃針痕と遊底頭痕は、全体的に表面が滑らかで、発射痕特徴が乏しいものであった。一方、70個の現場薬きょうに付けられている蹴子痕には、平行状の条痕が残されているものと、条痕特徴が乏しいものの2種類があり、2丁のトンプソンが使用されたものと結論された。
その年の12月になって、飲酒運転中に追突事故を起こし逃走し、追跡された警察官を射殺したフレッド・バーク(Fred Burke)の家から、2丁のトンプソンサブマシンガン、2丁の散弾銃と多数の実包類や防弾チョッキなどが発見された。ゴダードは、これらの銃が聖バレンタインデー虐殺事件に使用されたものと明らかにした。すなわち、この事件では、銃番号7580のトンプソンから20発の弾丸が、銃番号2347のトンプソンから50発の弾丸が発射されたことを確定したのである。この事件を解決できたことで、銃器鑑識が実用的な科学であることが大衆に周知された。
カップの底面には、中国臨沂市(りんぎし)のシルバー・フェニックスのマークがある。 |
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