AFTEの発射痕鑑定デモ用弾丸セット
AFTEでは、裁判の発射痕鑑定の原理を説明する上で役立つデモ用の弾丸模型と薬きょう模型を、会員に配布している。今回は、そのうちの弾丸の模型を紹介する。
今となって記憶がはっきりしないのだが、2005年ころのAFTEのセミナーで配布されたものだと思う。その翌年のセミナーで薬きょうの模型も配布されたと記憶している。
丹銅あるいは黄銅被甲の弾丸をイメージした色調のプラスチック製である。真上から見ると、パーティングラインがしっかりと確認できる。弾丸の全長は78mm、弾丸径は63mmである。弾丸の円筒部(ベアリングサーフェイス)には、6条の腔旋痕が付けられている。
腔旋痕を弾軸に対して傾けるところまでの細工は難しかったと思われ、回転角度のないストレートの腔旋痕となっている。説明の際は、腔旋痕は右または左に傾いており、その回転方向は銃器メーカーによって異なる、といった説明をする必要がある。
6条の腔旋痕の線条痕パターンは互いに異なるものである。
各腔旋痕の線条痕には、それぞれ特徴的なパターンが見られる。
発射痕鑑定では、これらの線条痕を合わせることができるか否かを調べることを説明するための模型である。腔旋痕が6条あるので、6回の比較を行えば、その結論は出せる。弾丸模型は1種類しかないので、この腔旋痕は必ず合わせることができる。
ただ、パーティングラインを目印にすると、1/2の確率で合わせることができる。上の写真では、中央の腔旋痕の上側にある旋底痕の中央にパーティングラインが見える。
上の写真は、腔旋痕の位相を合わせられていない状況を示している。一番右側の弾丸は、その前の写真と同じ位相で、旋丘痕の上側の旋底痕にパーティングラインが見える。左側の弾丸と中央の弾丸は、それとは異なる位相となっており、線条痕が合わせられていない。
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