ハイポイント自動装てん式拳銃のカット銃身
アメリカの銃器関連企業の中にはAFTEの活動にきわめて協力的な会社がある。ウインチェスターやレミントンもそうであったが、最近のハイポイントの協力ぶりは群を抜いている。ハイポイント銃器(HI POINT FIREARMS)は、低価格の自動装填式拳銃とカービン銃の製造販売をしている。当初は安かろう悪かろうの典型のメーカーのようにみられていたのだが、我々鑑定者に対する協力の程度が群を抜いてよかったため、そのような見方はすぐに変化した。
このカット銃身は、そのトムが200本もの9mm銃身をカットして、400名の会員に配布したものである。銃身長は110mm、銃身外径15.2mm、銃腔径9.0mmである。
薬室長約14mmで、薬室の長さが短いことから、銃身後端はカットされている可能性がある。腔旋の開始部(起旋部)にはフォーシング・コーンが加工されているように見える。
腔旋は右回転6条である。ハイポイント特有の左回転9条や左回転7条のものではない。旋丘幅は1.74mm程度であろうか。腔旋ピッチは1回転長12インチ程度と思われる。そうすると、腔旋角は5.3度となる。
ハイポイントは腔旋をボタンの1回通しで加工している。上の写真では分かりにくいが、薬室側の銃腔部の写真からは、旋丘部分に円周方向の工具痕が見られる。一方、腔旋の方向に沿った工具痕はあまり目立たない。銃口部にはクラウンが付けられている。 |
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