訳者の私的画像集75


AFTEの発射痕鑑定デモ用薬きょうセット

 ここで紹介する発射痕鑑定デモ用の薬きょう模型セットが会員に配布されたのは、弾丸模型が配布された翌年のAFTEセミナーであったと記憶している。

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 前年配布された弾丸模型は同じものが複数あり、それを結合することはできたが、それほど複雑なものではなかった。一方の薬きょう模型は、薬きょうの円筒部、きょう体底部、雷管部が分解できるもので、会員の間でも、よくできたものだと評価が高かった。

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 薬きょう模型は、黄銅をイメージしたきょう体とニッケルメッキをイメージした雷管で構成されていた。そのうちの1個のきょう底部と雷管の管体は、撃針で打撃前の実包の状態を示すもので、もう1個のきょう体と4個の管体は、撃針痕が付けられた発射後の状態を示すものであった。

 薬きょうの形状はリムレスのストレート型で、自動装てん式拳銃用の薬きょうをイメージしたものとなっている。

 薬きょうのリム部の径は69mm、組み立てた薬きょうの全長は127mmである。雷管の管体径は31.6mm、管体の厚さは21mm、薬きょうのリムの厚さは7.2mmである。

 撃針痕の径は9~10mm、円形の撃針口痕の径は約15mm、長方形の撃針口痕のサイズは10×22mmであった。

 きょう体底部には縦方向の平行状の遊底頭痕と蹴子痕、抽筒子の乗り上げ痕が付けられている。

 撃針痕は半球状で、1個の雷管では撃針擦過痕はなく、その他3個の雷管では撃針擦過痕が付けられている。1個の雷管の痕は、グロックの発射痕をイメージしたものであろう。3個の雷管には、縦方向の平行状遊底頭痕が付けられていて、1個の雷管の遊底頭痕は滑らかである。

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 雷管の一部に円形の穴が開けられており、きょう体底部の1箇所にはピンが出ており、雷管の穴をピンに差し込むことで、雷管の向きを正しくセットできるようになっている。

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 きょう体ときょう体底部の結合部には、溝があり、これらをしっかりと結合できるようになっている。

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 雷管はボクサー型の雷管がイメージされている。

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 前年配布された弾丸模型には、腔旋痕が付けられていないものはなかったが、組み立ててれば実包模型とすることができる。

(2011.9.2)

 
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